広域防災拠点は、政府の東南海・南海地震応急対策活動の計画に基づき、県が「西牟婁」「東牟婁」「和歌山市・海草」「伊都」の4地域に配置。既存施設の有効活用と約8万平方メートルの面積を基準に、関係市町村へのヒアリングや現地調査で選定した。
大規模災害時、4カ所で最大1万1290人の自衛隊や消防の派遣部隊を受け入れる。収容する支援物資は食料約410万食、毛布2万9000枚、おむつ約6万1000枚、簡易トイレ約1000基に上る。
「西牟婁」は南紀スポーツセンターと田辺市グリーン球場、白浜町の旧南紀白浜空港跡地で構成。紀南地方の支援をはじめ、航空輸送基地として後方支援もする。物資の保管や仕分け、災害対策本部との連絡機能が期待されている。
南紀スポーツセンターは1969年の建設で老朽化が進んでいる。2015年の和歌山国体開催に向けた施設整備の中で、災害支援物資の保管を考慮した体育館の改築や倉庫の設置、高速道路とのアクセスなどを検討。09年度中に田辺市と協議を深め、10年度から設計に着手したいという。
「東牟婁」は新宮市民運動競技場(佐野体育館含む)で、ヘリポートなどを備えた三重県熊野市の東紀州防災拠点とも協力して、孤立地域を支援する。
「和歌山市・海草」はコスモパーク加太と県立和歌山ビッグホエールで、県全体を統括。「伊都」は橋本市運動公園で、県外からの陸上輸送を後方支援する。
【県の広域防災拠点に選定された南紀スポーツセンター(和歌山県田辺市明洋で)】